がんも農場

黒田 祐樹さん
埼玉県出身。東京の大学を卒業後、京料理店での修行や有名クリエイターの下での仕事を経 て、自分で生産から販売まで一貫してできる仕事、結婚して家族と喜びを共有できる仕事がし たいという思いで、佐久市に移住し就農した。 佐久市浅科地区は良質な土壌と、歴史ある五郎 兵衛用水で栽培されたブランド米「五郎兵衛米」が有名で、この地域では有数の米どころである。 そんな環境の中、米農家の先輩方に教わりながらお米の品質を高めていくと共に、仕事の達成 感を家族と共有しながら、日々お米農家としての暮らしを楽しんでいる。

上原の黒田くんになるまで

佐久に移住して農業を始めたきっかけは?

田んぼの地形を意識しながら、慎重かつスピーディーに田植えを行う。
田んぼの地形を意識しながら、慎重かつスピーディーに田植えを行う。

雑誌などで農業特集をよく目にしており、東京での生活に息詰まりを感じた時に、移住を意識するようになりました。その中に佐久市で新規就農されている方の記事があり、まずは現場を見てみたいと思い、直接連絡をして見学のお願いをしました。農作業のお手伝いをしながらお話を聞く機会を何度かいただいたり、また他の新規就農の方も紹介してもらい見学をする中で佐久市に決めました。移住後も見学した農家さんのお手伝いをしながら農業を勉強していく中で、浅科地区の五郎兵衛米のことを知りました。早速五郎兵衛米の農家さんに連絡をとり、見学やお手伝いをさせていただきました。

そこで食べたごはんが美味しくて感動し、それからは米の生産に興味が湧くようになりました。家族や知り合いにも五郎兵衛米を食べてもらったら、とても反応が良くて、「ここでお米作りをすれば自分で販売するときにもみんなに美味 しく食べてもらえるかもしれない」と感じ、米の生産をすることに決めました。ただ、いざ始めようとすると、 浅科地区はお米が美味しいこともあって空いている田んぼがすぐには見つからず、最初は休耕田や、 狭くて耕作しづらい田んぼをやっとの事でお借りして耕作していました。

少しでも苗を無駄にしないように、機械の植え残しを手で植えていく。
少しでも苗を無駄にしないように、機械の植え残しを手で植えていく。

そのうち、耕作している田んぼの持ち主の方が、別の田んぼ を紹介してくれるようになり、現在は38枚(580アール)を借りられるようになりました。結婚をした頃が一番の転機だったのかなと思っています。上原(かみはら) という地区でちょうどいい空き家が見つかり、それを機に引越しをしました。子どもも生まれて、より地域の人との交流も広がり、「上原の黒田くん」として認知されるようになりました。それで田んぼもお借りできるようになってきたのかなと思っています。

今も続く 試行錯誤の繰り返し

最初にご指導いただいた里親の農家さんが特別栽培(化学肥料と農薬を半分に抑える)でお米を作っていたので、それが考え方の基本になったと思います。最初のころは「有機肥料で無農薬」ということを理想にしてやっていましたが、 化学肥料や農薬を使っている農家さんとも話して、そのメリットも 聞くことで、固定概念を取っ払い、 一番美味しくて、持続可能で無理のないやり方は何かを探すようになりました。ですので、研修でやっ てきたことを半分と、もう半分は自分なりの考えを基に肥料の配合や農薬の設定をして、稲が収穫の寸前まで生き生きしている状態にすることを意識してやっています。

苗の成長具合をカラーシートで確認 。データ収集を積み重ねていく。
苗の成長具合をカラーシートで確認 。データ収集を積み重ねていく。

あとは、今の自分の技術だと収量が多くなるのに反比例して食味が落ちてしまうので、まずは食味を重視するように栽培しています。 田植えの間隔も一般的な栽培方法よりも広くとって、稲がのびのびと育つように心掛けています。

毎月発行! がんも通信

栽培の違いやこだわりをお客様に伝えたくて、毎月『がんも通信』 を綴ってお客さまに同梱しています。通信には、その月にやっている農作業や、イベント出店のこと、 家族のこと、その時考えたことなどをざっくばらんに書いています。独り身で仕事仕事仕事の東京暮らしから脱却し、家族との時間を大切にできる仕事をしたくて農業を選び、 今では一日一日、幸せを感じながら過ごすことができています。そんなライフスタイルも通信で伝えることにより、がんも農場のすべてを知ってもらえたらと思っています。

落語会も開催!

農繁期以外の時期にはイベントに参 加し、お米や商品のPRを行っている。 さらには自分たちで「かみはら寄席」 というイベントを企画している。東京から落語家さんをお招きして、上原の 公会場で生の落語を披露してもらい、 その前後の時間で楽市楽座と銘打っ て、生産者仲間の野菜やチーズやお菓 子の加工品などを販売している。

かみはら寄席 年2回恒例となってきた落語イベント。生産者仲間が出店をする楽市楽座も同時開催し賑わいます!
かみはら寄席 年2回恒例となってきた落語イベント。生産者仲間が出店をする楽市楽座も同時開催し賑わいます!

僕はもともと落語が好きで、こっちでも落語を聞きたいなと思っていました。妻は結婚するまでは落語を聞いたことがありませんでし た。落語会を主催することはもちろん2人とも初めてですし、妻は疑心暗鬼でした。

でも、後押しとなったのが地区の区長さんたちです。田んぼのことでもお世話になっ ている方で、落語会をやりたいという話をしたら、「せっかくやるならみんな喜ぶから公会場で大きくやったほうがいい。みんなに声をかけてあげるから。」という言葉をいただいたことが大きかったです。 2回、3回と回を重ねるごとに地域の方との交流が増えたり、さらに農産物や加工品の販売を始めて、 仲間も増えていくことで、単なる 落語会ではない、がんも農場にとっ ても特別な落語会になってきました。

その後は家族の協力のもと、 段々と趣向を凝らすようになり、 出囃子に太鼓や三味線を生演奏し てライブ感をだしたり、楽市楽座 も少しずつ規模が大きくなって、 公会場の収容人数ギリギリのところまで人が来てくれるようになりました。夢としては毎回参加して いただいてる噺家の春風亭昇吾さんが真打になるときに、大応援団を佐久から連れて行きたいです。

がんも農場 商品紹介

がんものこだわり
今年度のがんも農場のお米作りは秋からスタートしました。稲刈り後、なるべく早く肥料を散布することから始まります。鶏糞主体の有機肥料を撒いて、春の田植えまでに 土中に栄養分を蓄えさせて あげます。有機肥料は化学肥料と違い、撒いてすぐに稲が栄養分として取り入れることはできません。

秋に肥料を撒いてから、トラクターで田起こしをしておくと、春までに土中で有機肥料の分解が進み、 田植えの時に苗が 元気よく成長してくれるのです。 一昨年までは、有機肥料を使うことで田植え直後の 苗の生育が遅れることが課題でしたが、実験の結果、 改善することができました。収量や味にどんな影響 が出るか、ぜひお楽しみください。

商品紹介

がんも農場

  • 基本情報
    • 農場長 黒田 祐樹 ( がんも )
    • 稲作担当 黒田祐樹 営業担当 黒田紗貴子 研修生 黒田弥生
  • Mail email hidden; JavaScript is required
  • 取り扱い商品
    • うるち米、もち米、本みりん、本みりんジェラート、 手前味噌、切り餅、手ぬぐい、一合枡
  • 販売先
    • 農家直送。佐久周辺地域は 宅配サービスあり
    • がんも農場L I N E  https://line.me/R/ti/p/%40685vlpzc ←こちらからでも注文可
2019年12月11日