わっか農園

会田淳さん(千葉県出身)会田芳実さん(茨城県出身)
宅配会社に勤めていた淳さんは、週末になると東京の自宅から茨城県にある就農準備校へ車で通っていた。さらに、二週間ほど原村にある八ヶ岳中央農業実践大学で学んだ。
就農してからも、大分県で循環農法を実践し、数々の著書を出版していた赤峰勝人さんの元へ通った。短期間で集中して行う座学や現場作業の濃密な時間は何よりも農業の知識と技術を深めてくれた。泊まり込みや合宿が好きで、飲み会の時は最後までいる性格はたくさんの人との関わりを通して自分への糧としている。 
芳実さんは、1970年代から始まった、有機農業の生産者と消費者が直接繋がる仕組み「提携」の消費者だった家で育ち、子どもの頃に援農として連れて行ってもらった農業の体験がとても楽しく感じたことをきっかけに農業の道を目指すようになった。一人農業で栽培から販売まで行い、直接お客様のところまで配送していた。

就農準備校:全国を対象に民間の農業研修機関を活用して、就農を志している人や就農を 始めたばかりの人に技術や経営を教えてくれる国の制度

理想の農業と様々な出会い

関東出身の2人が長野県へ移住してきた経緯を教えてください

淳:八ヶ岳中央農業実践大学に行った時に佐久穂町(長野県)にある織座農園の窪川さんと出会い、窪川さんが行っていた農法や、まだ珍しかった個人宅へ直接配送するやり方など自分がやりたかった農業がそこにあったので、住み込みで働き始めたのが2000年で2年間続けました。


その後は独立するために隣の小海町に家と畑を借りて農業を始めました。住んでいた地区にたまたま有機農業を営んでいた先輩農家のあとくら農園さんがいたので、地区の集まりなどにもすんなりと入っていけました。元々集まって話しやお酒を飲むことが好きだったので、消防団にも入りましたし、町のイベントに顔を出したり手伝いなんかも率先してやりましたね。
その頃に妻と知り合ったのですが、赤峰さんが全国で開催していた講演会を茨城県で開催した時に実行委員をやっていたのが芳実さんで、打ち上げで彼女と話した赤峰さんが何かビビっときたものがあったらしく、ほろ酔いになりながら「こういう子がおるんだけど会田くん会わんかえ」と電話で言われて茨城に行ったのが芳実さんとの出会いですね。


元々茨城県とは縁があって、今では有機の町で有名な八郷町に働いていた会社の保養所があって、その近くに使われていない畑があったので職場の仲間とそれこそ毎週末のように行っては畑の手入れをして、収穫したものを食べて、お酒を飲んでそのまま泊まって帰ってくるみたいな生活をしていました。なので同郷のような親近感を抱きました。


結婚を機に佐久穂町に住み、その頃は宅配以外に引き売りで直接お客さんに販売なんてこともしていました。子どもができて住環境を変える必要があったので佐久市の内山に引っ越しました。

そこにあるものを全て生かしていく循環農法

小海町、佐久穂町、佐久市と移りましたが農業での違いはありますか?またこちらの農業の特徴を教えてください

淳:師匠となる赤峰さんの考えは「とにかく草を持ち出さない」ということで、草もそこに生きている生物も全て畑で循環させて、草で土を作り、草を観察することで土の状態を知る。さらに虫や菌が土作りを手伝ってくれるので無駄なものは1つもなく、そこにあるものを全て生かしていくという循環農法をやっています。なので手作りの堆肥と土の改良材としてもみ殻や廃菌床を使っています。基本の土壌ができれば、粘土質で固くなってしまうような土地は不耕起で草をうまく生やしながらやっていくのがいいのかなと感じています。 


シーズン中は1月まで個人宅配で野菜を出していて、常時12品目くらいを回しています。農業を始めた頃は作る面白さを優先して、形や色の珍しい野菜をセットに入れていましたが、八百屋に並んでいるような一般的な野菜を美味しく作りたいと思って始めた原点に戻って、一般的な野菜を中心に空芯菜やモロヘイヤ、つる菜、色が赤い葉物やちぢれ系の少し珍しい野菜を変わり種として育てています。お米はもち米とうるち米を栽培していて、もち米は農園の加工所で加工し、うるち米は地元の小学校に卸しています。

「武農一致」合気道から学ぶ

淳さんが就農と同時期くらいに始めたというのが合気道である。始めたっきかけは農業の師匠でもある赤峰さんの進めでもあった。

淳:合気道の開祖といわれている師範が「武農一致」という言葉を残していて、合気道で使う体の使い方や所作が農業にも生かされるということもありますが、人としての礼儀や行儀などの精神面を鍛錬するというところに惹かれました。そして偶然にも佐久市にある道場の師範が赤峰さんの師範とも繋がっていることを知り今でも通っています。 


それ以外に農業を通じて行っている活動としては、食育の一環として子どもたちが通っている佐久城山小学校のお米作りを教えています。この地域で育っている子どもたちなら一度はお米作りや畑などの農作業を経験してもらいたいと思って手伝っています。人数がたくさんいるので田植え後は田んぼに入ってもらい歩き回ることで雑草の成長を抑えることができました。「人間合鴨農法」と呼んでます(笑)何回かやってもらったのでかなり雑草の成長を抑えることができました。こういった地域学習を続けていって欲しいと思っています。

いつかはやってみたい農家レストラン

加工所をつくったきっかけは何ですか?

芳実:就農した頃から食品の加工に興味があって、いつかは農家レストランをやってみたいと思い調理師免許を取っていました。それからしばらく経ちましたが、数年前に知り合いのお餅屋さんが高齢を理由に「この機械を譲るからおもち作りしないか」という話をいただきました。新たに加工所を建てたり設備を入れたりするのはリスクかもしれないと悩んだけれど、昔からやりたかった食品加工のチャンスだと思い譲り受けました。


お餅やおこわに使うもち米や、材料となる野菜のほとんどは自家農園のものを使用しています。もち米が足りなくなる時期は、子どもの頃に通った農家さんがまだ現役で栽培しているもち米を使用しています。
始めたばかりのお餅作りは試行錯誤しながらではあるけど、材料はこだわりを持った自慢の米や野菜ばかりです。イベント出店で農園や農産物の話をお客さんにできる対面販売は自分がやりたかったことなので、人との繋がりを楽しませてもらっています。

わっか農園

  • 基本情報
    • 代表 会田 淳
    • 住所 佐久市内山6923-2
    • 電話 09026234801
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  • 栽培品種
    • 米、野菜、豆など
  • 販売先
    • 個人宅配、学校、イベント販売など
2023年10月25日