#05 尾関充紗 長野県北佐久郡御代田町

地域での活動を通じて笑顔を増やしていく

「御代田町での自分の最大の役割は『人を笑顔にすること』だと考えています。写真によるまちづくり、というミッションは与えられていますが、あくまでそれはツールのひとつです。町に住む方々の役に立ったり、笑顔をつくったりすることができるなら、私はどんなことでもやりたい!という気持ちですね。どんなに小さな仕事であっても、自分が関わることで誰かの困りごとが解決するなら、それも地域おこしの一環なんだと思います。私は高校生のときに大きな病気にかかり、生きるか死ぬかという経験をしました。あの当時の唯一の楽しみと救いは、テレビ番組の『めちゃイケ』を見て大笑いすることでした。病気から回復してからは、こんどは自分が人を笑顔にする側に立ちたい、誰かの気分を高めていくような仕事をしたいと考えるようになりました。地域おこし協力隊としてのモチベーションはそこにあります」

最大3年間の任期の折り返し地点を迎えた尾関さん。単身で委嘱を受けてからは町の移住パンフレット制作にはじまり、SNSでの地域情報発信や、イベントやお祭りヘの積極的な参加により、町内での信頼度を着実に高めている。

テレビ西軽でのキャスターの様子。日々、尾関さんの出演を楽しみにしている視聴者の方がテレビの放送画面を写真に撮り、局に直接届けてくれたもの。

「いまでは、日本一小さなテレビ局として知られているテレビ西軽(西軽井沢ケーブルテレビ)でキャスターもつとめています。地域超密着型のテレビなので、出演していると顔と名前を覚えられます。買い物中にコンビニの店員さんに『テレビに出てる人でしょ!』と声をかけられたこともありますよ。番組内で私が紹介した町内の桜スポットに、実際に足を運んでくれたおばあさんがいました。『御代田町で生まれ育ったけれど知らない場所だった、尾関さんのおかげで素敵な桜を見ることができた』という言菜をいただいたときはうれしかったですね。自分の存在には意味がある、と実感した体験のひとつです」

御代田町の魅力を子どもたちに伝えたい

「これから新たに取り組みたいことのひとつは、地域の子どもたちに町の良さを知ってもらう活動です。県外から来た私が御代田町を気に入って生活しているなかで、ある小学生の子が『御代田町より都会のほうがいい』と主張していることを知り、ショックを受けました。御代田町の良いところを知らずに出ていってしまうのは、あまりにももったいないと思います。いままで自分が撮り溜めてきた町内の写真を見せながら、子どもたちと対話してみたいです」

2018年11月20日