#02 桑原祐紀 長野県南佐久郡小海町

旧友との再会が 移住のきっかけに

桑原祐紀「地域おこし協力隊に興味を持ったのは、学生時代の友人からの誘いがあったからです。同窓会で久々に当時の仲間たちと再会したんですが、そうなるとやっぱり『みんな今、仕事は何してるの?』って話になりますよね。そこにたまたま、地域おこし協力隊として活動している友人がいて、小海町で林業に携わっているという話を聞きました。当然ですが『えっ、なにそれ?』と思いましたよね。後日その友人から、小海町で協力隊の追加募集があると連絡があり、背中を押された感じでした」

長野県南佐久郡小海町の地域おこし協力隊員、桑原祐紀さんは応募に至った経緯をそう語る。2017年の4月に着任し、現在は小海町の農産物加工直売所・プチマルシェこうみ併設のカフェ「まめカフェ」のスタッフの中心メンバーとして活動している。

新しい風を吹かせ町の人々と関わる

地域の小学生からのプレゼント
地域の小学生からのプレゼント

「自分の着任と同時にリニューアルオープンした直売所とカフェということで、新しい試みが受け入れられやすい環境です。新メニューとして野菜スムージーを開発したり、カフェスペースを利用して曼荼羅ぬり絵のイベントを開催したり。直売所の裏手に小鳥が集まっているのを見つけたので、エサ場をつくって『とりカフェ』と名付けてみたりしました。まめカフェの窓越しに見えるので、観察してみてください。

ほかにもやってみたいことはたくさんありますよ。例えば、小海町にあるいろいろなお店が直売所に出張してくる企画なんてのもおもしろいと思います。協力隊として着任してから、あっというまに半年以上がたった現在、直売所やカフェの課題イコール自分自身の課題、という意識がありますね。 直売所の役割として、町内の保育園と小中学校に向けて給食用野菜の配達も行っています。子どもたちにとっては『野菜のお兄さん』という存在になってますね。そのおかげか、直売所に来てアイスを差し入れてくれた子や、まめカフェの看板をつくってプレゼントしてくれた子もいます。こういう反応があるのは、とてもうれしいです。本当に感動しました」

直売所の外に設置された装飾かぼちゃ「重くて運ぶのに苦労しました」と桑原さん

モノやサービスを売っていくだけではない、地域の交流施設としての直売所づくりに日々励む桑原さんはこう続ける。「小海町に来る前も飲食関連の仕事をしていましたが、比べてここはお客様ひとりひとりとの距離が近い環境だと感じます。まめカフェを、誰でも気軽に立ち寄って和める場所にしていきたいので、新メニューの開発など積極的に仕掛けていく計画です。まずはカフェに訪れてもらい、その上で直売所にどんな品物があるのかを実際に見て、知ってもらいたいです」

2017年11月16日