株式会社ヨコハチファーム

ヨコハチ

真木 聡志さん ( 茨城県稲敷郡河内町出身)

起業から17年目。「楽しい、やりたい、大好きなことで自然や人の役に立つ。そんな『ちょうどいいオーガニック』をみんなでデザインする」を理念として掲げている。
会社として経営するだけではなく、自分の好きな自然環境を守っていくことを大切にし、仕事としての農場を楽しみ、趣味としての農業も楽しんでいる。「仕事=楽しい」はなかなか難しいテー マではあるがそれを理想とし、実践しているのが株式会社ヨコハチファームである。

環境保全の手段としての有機農法

農業を始めるきっかけ、また佐久市に移住したきっかけは?

学生時代から長野に登山や キャンプ、スノーボードに来ていました。ちょうどよく開けていて暮らしやすさがイメージできたので、佐久市に移住してきました。その当時、ちょうど土地が空いていたのが安原だったのでここを拠点にしたのですが、 今は栽培面積としては5.3 ha になります。

ズッキーニに傷をつけ ないように重心を落と し低姿勢で収穫をして いる。

農家になるきっかけとしては、大学が農学部の遺伝子育種学を専攻していたのですが、実験や研究者として建物の中にいるよりも、実験の材料を作ったり、畑仕事している方が楽しかったというのはあります。それと、環境保全をしていくという気持ちは大学生の頃から変わっていなくて、その手段が有機農業だったということです。

きっかけはジャミロクワイ

いつ頃から環境について意識し始めたのですか?

下から螺旋状に成長し ていくズッキーニ。

高校生の時に初めて買った洋楽のCDが〝ジャミロクワイ〞で、歌の中に温暖化や環境破壊について歌った曲があって、すごいかっこいいなって思いました。それから自分でも環境問題について調べるようになり、植物とかも好きだったので、将来はそういった方面で役に立てる仕事をしようと思いました。
生まれ育った場所が茨城県の田舎で、田んぼや畑の中に家が数件まとまっていて、遊び場といえば川や雑木林ばかりでした。実家ではクジャクを飼っていて、 悪いことをしたらクジャク小屋に入れられて突かれながら謝っていました(笑)そんな環境で育ったってことも大きいですかね。

お母さんが楽に調理できる野菜

農場(会社)の特長を教えてください。

リビングマルチの様子
リビングマルチの様子。畝間に生えた麦 が枯れると完成。そのまま土へ還っていく。(左)生え始めの状態 (右)枯れた状態

栽培品目はトマト、ズッキーニ、スナップエンドウ、アスパラになります。これを選んだ理由としては、「使用用途が広い」「簡単に調理できてお弁当に使いやすい」などの野菜を意識しました。
そう考えるようになったのは、どこをターゲットに、どういったことをしたいかと自己分析した時に、それは家庭であり、おうちでリラックスした時間を過ごしてほしいという思いがありました。家族であればお母さんがいつもニコニコしていることで家が明るくなり、みんながリラックスできると思っています。なので、お母さんが楽に調理できるという点を大切にしています。

何件かの宅配サービスに野菜を卸していますが、そこの食材セットや簡単調理セットにも提案して、うちの野菜を入れていただいてます。
会社や従業員側の観点で言うと、30人いる従業員のほとんどが女性だったり、農業未経験者が多かったりします。そういう人でも 収穫時期の見極めが比較的簡単なものや、あまり重くなく負担の少ない野菜を選んでいます。

従業員が30人と多いですね

人を雇うようになると、従業員にちゃんと休日をあげたいってなるんですよね。あとは急に体調が悪くなったり、学校行事で休みたいなどにも対応しながら作業のスピードを落とさずにいくとなると、ある程度の人を雇わないとローテーションが組めないのでこのくらいの人数になります。人数が増えれば畑も増やしていくことに なるので、この地域の畑の現状を維持していけるのかなと思います。

地球の負担を少なくするハイブリット農業

栽培方法の特長はありますか

家族と共に、趣味の 山登り。休日でも自然
と向き合っている。

全ての畑で有機認証を取得しています。栽培方法としては炭素循環農法で緑肥栽培をしたり、通路に麦などを栽培してリビングマルチにしています。そうすることで植物からでた栄養素や二酸化炭素を土に取り込んで野菜が吸収していきます。昔は有機肥料を使用していたのですが、 大量の肥料を運ぶときにも二酸炭素は発生するので、今は少しでも地球の負荷を少なく、少し時間をかけてもいいので、なるべく自然の力だけで畑を循環 していく方法に取り組んでいます。

野菜にとっては二酸化炭素をため込んでいる、すなわち太陽エネルギーをため込んでいるのと同じなので、天候が崩れても病気は少なく、味も落ちづらく安定している感じはあります。太陽と土でエネルギーを蓄えているので「ハイブリット農業」 と自分は呼んでいます。

真木さんは、農業の活動の一 環として地元の小学生と一緒に トマト栽培をする活動もしている。
また、農場の一角にBBQ サイトを作りそこで採れたての 野菜を食べてもらうなども考えており、楽しいこと、大好きなことをとことんやるという会社の理念を形にしていってる。

おっきーニ
ロッソナポリタン

株式会社ヨコハチファーム

  • 基本情報
  • 取扱商品
    • ズッキーニ、イタリアントマト、アスパラガス、 スナップエンドウ
  • 販売先
    • 宅配会社、JA など
2020年9月7日