いそベジ農場

いそベジ農場

一言で言えばマニアック。野菜のことを語りだすと、土のことまで深く掘り下げていく。その目はキラキラと輝いているから、聞いているこちらも楽しくなる。

それが「いそベジ農場」さんです。

「東京に近い」「晴れが多い」「標高が高い」

就農何年目ですか?

まる3年経ちました。

出身は?佐久穂町に来た経緯は何ですか?

豆の形がしっかりしていて、程よい甘さ のあるスナップエンドウ。
豆の形がしっかりしていて、程よい甘さ
のあるスナップエンドウ。

東京都出身です。前の仕事(都内にある、野菜をメインにしたレストラン)をしていて思ったのは、長野産の作物の入ってくる時期が他県とは全然違うんですよ。例えば他県でトマトの出荷が終わってから、長野産のトマトが入荷されるみたいな感じがいいですね。

他県で元々やっている規模の大きい農家さんと同時期に混じってやってもどうかなと思っていたので、時期をずらせるのが魅力でした。

それと、東京に野菜を売りたいという思いがあったので、配送料等を考えた時に首都圏に近いほうが何かと便利だとも思いました。

あと、長野県は割と就農しやすそうだったということですね。就農フェアがあって、その時に栃木・山梨・茨城・長野のブースがあって、長野のブースで話を聞いた時に「農業大学校の研修があって、里親就農制度で先輩農家のもとで1〜2年実務を積めば就農できるから、トントントンってなれるよ」って言われて決めました。

シャキシャキっという食感と口から溢れ そうなほど水分を含んでいる小松菜。
シャキシャキっという食感と口から溢れ
そうなほど水分を含んでいる小松菜。

さらになぜ佐久穂町かというと、「長野の中でも東京に近い」「晴れが多い」「標高が高い」というのがあります。それと、農業大学校の時に、佐久穂町ですでに活躍されていた萩原さん(礒辺さんの師匠となる方)に出会って、萩原さんの野菜セットを買って食べたら美味しくて、特にかぼちゃが今まで食べた中で一番美味しかったということと、周りから「礒辺君は萩原さんが合ってんじゃない?」ってすごく薦められて、萩原さんと話したら目をキラキラさせて話を聞いてくれたんですよね。

「もう間違いないな」と思いました。ですから、元々の自分の算段と萩原さんとの出会いが決め手になりました。町の方から「よくやってるね」とか「頑張ってるね」というウェルカムムードは感じたので、やりやすかったですし、感謝しています。

地味な野菜がちゃんと作れば美味しくなる

前の仕事でも野菜と関わっていたんですよね?

そうですね。美味しい野菜と触れ合って、多い日には百人近くのお客様と話をして、その人に合いそうな野菜を奨めてみたりなど楽しくやっていたんですが、ある時、同じ種類の野菜を食べても、生産者によって味が違うということに興味がわいて「自分が作った野菜の味」ということに意味を見出しました。

現在、メインで作っているモノは何ですか?

きゅうり畑での収穫作業
きゅうり畑での収穫作業

葉物だと小松菜で、果菜類だときゅうりになりますね。けっこう渋い野菜というか、日本ぽい野菜ですよね。いろんな野菜を作って食べてみて、2〜3周回った中でこの地味な野菜がちゃんと作れば美味しくなるっていうのが僕の中でヒットして、「トマトが甘い」というような分かりやすい美味しさではないマニアックなところに魅力を感じています。流通しているきゅうりとかはどれも同じ味に感じてしまうので、そこで違いが出せるといいなと思っています。

今年は特にミニトマトに力を入れてやってます。ポイントは「酢」ですね。酢を葉に吹きかけて、植物に必要な光合成を促進してあげて、炭水化物( ショ糖など) をより作り出して、甘みのあるミニトマトが出来ます。昨年までは一日一回の見回りを、朝・夕方の二回に増やしました。

作業効率が上がらないという面もありますが、多品目のいいところはリスクヘッジになることですね。例えば小松菜がダメでも他の野菜があるという考えになります。

卸先はどこが多いですか?

今は、宅配サービスの会社とかが多いですね。あとは、無農薬・無化学肥料の食材を扱った自然食品店とかになります。それが全体の2割で野菜セットもまだ持続しています。

基本的には生産者の顔が見えて「僕が作ってます」というのが分かるところになるべく出すことを意識してやっています。

野菜のおいしさや面白さを伝えていく

今後のビジョンは?

今が最盛期のミニトマト。今年はより一 層気合が入ってます。
今が最盛期のミニトマト。今年はより一
層気合が入ってます。

やりたいことはいっぱいあるので悩ましいのですが、その1枚1枚のカードをいつ切るかというタイミングが重要かなと。その中の一つは野菜の美味しさや面白さを伝えていくということですね。きゅうりのおいしい時期に食べに来てもらうとか、直接話しながら食べてもらいたいですね。あとは、妻がパン職人だったので、自分の畑で作った小麦でパンを作りたいです。

単純に規模を広げていくことは可能ですが、人を育てていくというのが今後の役目かなとも思っています。

自分が農業をやっている意味というのを考えながらやらないとなとは思っています。


いそベジ農場

  • 基本情報
    • 代表 : 礒辺 和明
    • 従業員 : 3 名
    • Mail : email hidden; JavaScript is required
    • 所在地 : 南佐久郡佐久穂町大字畑
  • 取り扱い商品
    • 無農薬無化学肥料の野菜セット、小松菜、きゅうり、じゃがいも、かぼちゃ、スナップエンドウ、ミニトマト、等
  • 販売先
    • web 販売 : isovegefarm.com
    • 店舗 : 佐久穂町直売所「まちのえき」、自然食品店あしたば( 東京都町田市)、キッチンえみゅ~(佐久穂町)、お料理れもん(佐久市)、ホテル音羽の森(軽井沢町)、リエックスホテル(小海町)、カフェマルディ(東京都世田谷区)

 

2017年8月1日