宮野 雄介さん :
神奈川県藤沢市育ち。子どものころから、長野好きの両親に連れられて八ヶ岳に毎年来ていた。農業高校卒業後、二十歳で東御市にあるカフェレストラン&ワイナリーのヴィラデストに就職し、農園管理を始めた。独立後は西洋野菜をメインに栽培し、ワインぶどうやハーブなども作っている。近年、野菜の品種改良による栄養価低下の話を聞き、自身もアトピーに悩まされたという経験から、原種に近い野菜を育て、種を採取してその種で栽培することで、味も濃く、栄養価の高い野菜を作り続けている。 奥様の智亜紀さんは東京都足立区育ちの料理人。都会での生活リズムを変えるべく、軽井沢へ移住。地元の野菜や食材で料理する喜びを感じ、農園で採れた野菜の味を最大限に引き出した料理や商品を作っている。4人の子どもたちは農作業や土いじりを通してのびのびと育っている。
※本文中/雄介さん・雄 智亜紀さん・智
野菜一筋二十年
二十歳で長野に移住ということですが、きっかけは何ですか
雄 : ヴィラデストの面接に行って、今農園を管理している人が高齢だからかわりに管理しないかと言われて、あまり考えずに「行きます!」と飛び込みました(笑)
それから今年で20周年の節目になります。当初から地元の行事や草刈りに参加していたので、独立するときは地域の人たちにも助けてもらいました。30歳までには独立してやっていきたいと思っていました。
智 : 12年前に夫と出会った時は、若い人で独立して農業をしている人をあまり知らなかったので、変わり者だなっていう雰囲気はありました。マニアックなキャラクターではあるけど、見学に来た人とかには、「農業を楽しんでやっているのが伝わった」などの感想もいただきます。この仕事が本当に好きなんだと思います。
飲食店との関係から培った品質
西洋野菜の生産が多いですが、そうなった経緯は
雄 : 西洋野菜が多いのはヴィラデストにいた時に、オーナーの玉村さんがフランスで野菜の種を買ってきたのを蒔いて生産していた影響が大きいです。そこで、同じ野菜でもいろいろな種類があることを知りました。西洋野菜の生産が多いので、知り合いや繋がりのある飲食店に卸し始めて、今は7割くらいが飲食店です。そこで「こんな野菜を作ってみてよ」などと言われ、毎年新しい野菜に挑戦し、出来たら持っていって、直接シェフに適正なサイズや価格を聞き、品質の向上に努めています。西洋野菜は珍しいものも多いので、それを高品質でさらに有機で生産を継続していくなら、安価に売るのではなく、適正な価格で品質のいいものを納めることが大事だと思います。料理人でもある妻から、お皿に飾られた時のイメージを教わることもあります。
ですから、市場では出回らないようなサイズや形で納品することも多いです。例えば、ズッキーニでも、よくある細長いものから、丸いもの、花ズッキーニなど同品種でも何種類か作っています。お客様との関係性を築き、よく知ることでこちらからの提案やお任せでやらせていただき、お互いがやりやすくメリットのあるスタイルがとれればと思います。畑の見学もやっているので、来ていただければその時の旬や状態がよくわかっていただけると思います。
あとは、年間を通して納品ができるように冬場でもギリギリまで根菜やネギなどを露地で、ハウスでは、葉物やハーブなどを作って納品しています。
風景が見えるような料理
智 : こちらからの提案という意味では、飲食店に限らず、一般消費者の方にも農園に来てもらって、採れたてを調理して食べてもらえるようなイベントを考えています。最初は場所借りをしてやっていたのですが、自分たち発信でやりたいねって話して、昨年は試しにイベントをやってみた中で、いろいろヒントをもらったので、もっとやれるように徐々に準備もしているので楽しみにしていただけたらと思います。
現在、東御市のカフェまる屋さんでワンデイシェフをやらせていただいてるんですが、そこでは農園や野菜の特徴が伝わるように、色んな種類の野菜を使用したり、形をそのまま残して盛り付けをしてみたり、畑の風景が見えるような遊び心のある料理を心がけています。「野菜の味が濃いね」とか「野菜が力強いね」など言ってもらえた時は嬉しいですね。
アグロノーム
- 基本情報
- 代表 : 宮野 雄介
- 従業員 : 3名
- 所在地 : 長野県東御市和7819-1
- Mail : email hidden; JavaScript is required
- 取り扱い商品
- 野菜(30品目100種類くらい)、ぶどう(ワイン用)加工品(トマトソース・ケチャップ・ジャム・ワイン)
- 販売先
- 飲食店、個人への宅配、直売所(雷電くるみの里・ゆらり市)、農協など
- 生産リスト、野菜セットのお問合せ
- ホームページ : アグロノーム
- 活動報告、イベントの告知