りんごやSUDA

りんごやSUDA

須田 治男さん(佐久穂町 畑 出身)
リンゴ畑は標高900mほどの場所にあり、全国的なリンゴの生産地と比べても高い場所にある。この環境こそが、りんごやSUDAさんのリンゴやプルーンの個性を生みだす要因だ。
しかし、この場所を栽培に適する環境にするまでには先代からの苦労があった。現在の園主の須田治男さんは3代目。昔からの良さを引き継ぎながら、リンゴやプルーンのお酒造り、行政と手を組んで町一体となってのプルーンの普及&ブランド化への取り組みなど、新たな挑戦や未来へ向けた活動を行っている。

15〜20年前からこの地域がリンゴ栽培に合う環境になってきた

ここでの栽培はいつ頃から始まったのですか?

1開放的
八千穂高原の麓の開放的な景色は須田さんのお気に入りの1つ

昭和2年に祖父が始めてから今年で93年目になります。始めたころは今よりも寒さが厳しく、リンゴづくりにはあまり向いていなかったようです。両親の代になって、温暖化などの影響もあり、少しずつですが高地でもリンゴの栽培がしやすくなってきたのかなと思います。現在はプルーンを1 haの中で10種類、リンゴを2.7haの中で14種類、栽培しています。

新しい栽培方法や新しい品種栽培に挑戦

栽培方法の特長はありますか?

収穫前のサマーキュート 8月から10 月はプルーンの季節 旬の美味しさをぜひ生で味わってほしい
収穫前のサマーキュート
8月から10 月はプルーンの季節。旬の美味しさをぜひ生で味わってほしい

敷き藁を敷いたり、たい肥を撒いたりするのは父親の代から行っていて、それは引き継いでいますが、最近では、新しい栽培方法の導入や新しい品種栽培にも挑戦しています。栽培方法としては、リンゴで「高密植栽培」を導入しています。通常2.5mぐらいの木を樹高3.5m〜4mの高さにし、樹間を80㎝にすることで、リンゴに陽がよく当たるので色味が良く、また、大きさも均一に育ちやすいので製品化率が上がります。
品種についていえば、プルーンで長野県のオリジナル品種である「サマーキュート」や「オータムキュート」を栽培しています。どちらも糖度は高くて良いのですが、水分を吸収しすぎると割れてしまうので、収穫の1か月前からシートを木の上に被せるレインカットという作業をします。そうすることで、雨による果実の割れやシワを抑えることができます。

キレイな園が良い果実を生む

圃場は整備されていて、とてもスッキリしていますよね。

機械を使って、高所のリンゴの収穫も スムーズにできる
機械を使って、高所のリンゴの収穫もスムーズにできる

私は〝キレイな圃場が良い果実を生む〞という考えを持っています。圃場がキレイに整備されているということは、しっかり仕事をしているということです。また、しっかり葉摘みや摘果をすることで、果実1個1個が鮮やかな色合いとなり、とてもキレイです。当然、養分をしっかり吸収した美味しいリンゴに仕上がります。
ただ、これらの作業は、とても自分や家族だけではやりきれなくて、アルバイトの人たちの力があってこそのものになっています。少し前までは、経験が必要な摘果をアルバイトには任せられないとしていましたが、それでは手がまわらず、適期に作業ができなかったり、他の仕事が遅れてしまうので、現在はアルバイトの方にもしっかりと教えて、作業してもらう仕組みにしています。人に教えることで自分の理解度も深まり、作業効率を見直すきっかけにもなったかと思います。

佐久穂のプルーンを全国へ

佐久穂町とプルーンのブランディングをされていますが、活動内容と経緯を教えてください。

濃い赤になり、りんごの表面に天然のワックスが出るとすごくおいしくなる「シナノドルチェ」9 月下旬収穫
濃い赤になり、りんごの表面に天然のワックスが出るとすごくおいしくなる「シナノドルチェ」9 月下旬収穫

南佐久郡のプルーン生産部会長になって3年目になるのですが、その間に町から「佐久穂町のプルーンをどのように売り出していったらいいかを考えてほしい」いう要望がありました。そこで、プルーンの中でも比較的に新しい品種で質の高いオータムキュートをブランディングしていこうとなり、東京にある老舗フルーツ店の新宿高野さんに協力していただいて、10年くらいかけてブランドを築き上げていくことになりました。この町の将来のプルーン栽培にとって大きな意味合いがある活動だと考えています。ブランド化することで、佐久穂産のプルーンの認知度を広げていきたいですね。そのためにも、まずは消費者に認められてこそのブランドなので、質の良いプルーンを作り続けたいと思います。

春の霜、梅雨、台風、雹…一年かけて育ってくれた果実を収穫できる喜び

農業の楽しさはどんな時に感じますか?

私は収穫前の状態が好きです。「明日収穫できるかな」くらいの状態の圃場を目にすると、それまで作業の大変さや、雹や霜などの厳しい自然環境にも耐えて育ってくれたことなどが走馬灯のように駆け巡ります。この一時がやりがいや喜びに繋がっていますね。でも、実は、これから収穫で忙しくなるんですけどね(笑)

りんごやSUDA_3p2
前職がソムリエだった須田さんならではの味にこだわったお酒は、上品ながらも風土や地域性を感じさせる奥深さがある。

 

  • 基本情報
    • 代表 須田 治男
    • 従業員 10 名
    • 所在地 南佐久郡佐久穂町大字畑
    • TEL 090-9144-4642
    • FAX 050-3737-7181
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    • URL ringoya-suda.com
    • 注文は電話、FAX、メールでお願いします
  • 取扱商品
    • リンゴ&プルーン、ジュース、シードル、リキュール
  • 販売先
    • リンゴ、プルーン・・・直販
    • リキュール・・・ヘルシーテラス佐久南、清水屋など
2020年11月16日